四国遍路7日目 徳島最後の札所へ
朝食に納豆がついた
今日も2時に目が覚め、ブログをアップした後、宿の前の広場でストレッチと足のご機嫌伺を行いました。筋肉痛はだいぶおさまり、足の裏のまめの痛みはあるものの今日の遍路に支障なし、と判断しました。
朝食は6時にお願いしていました。
昨日夕飯の時、朝ごはんでリクエストはないか聞かれ、できれば納豆があればと答えたのですが、「あ~準備がないや」との返事だったので諦めていました。
食卓についてみると、なんと真ん中に納豆が鎮座していました。昨日の夕食後買いに行ってくれたようで心よりお礼しました。写真にはありませんが酢の物の小鉢もあとから出てきてご飯2膳をたべたら満腹となりました。
今日の予定は宿から6kmほど先の22番平等寺をお参りしたあと、その先20kmほど歩き、徳島最後の札所薬王寺を打って今日の宿に入る計画です。宿のご主人とルートの相談をしました。平等寺までの遍路道はしばらく舗装道路で途中から大根峠を越えるルートとなるがそのまま舗装道路を行っても1~2km多くなるだけで楽だよ、とのアドバイスでした。ガイドブックの地図を見ると大根峠は峠への分岐と比高60m程、地図でもそれほど険しい道とは思えず、遍路道を行くことにしました。
宿をでてからずっとだらだらした上り坂ですが舗装道路ですから特に困難はなくすすめました。
分岐を過ぎてしばらくはなだらかだった勾配が急になってきました。へんろころがしや鶴龍ほどではないものの、かなりの重量となっているザックを背負っていますから少し進んで息を整え、少し進んで息を整えの繰り返しです。大根峠が見えてきました。
舗装道路を歩いていれば荷を背負っても1km14分程度ですから1~2kmの遠まわりのほうが早いし楽だったか、と何度目かの後悔。
昔の遍路道はそうはいっても風情のある景色を楽しめる利点もあり、一長一短、と自らを納得させました。峠を下りきると何か建物が見えてきました。
遍路小屋としては床面積は他の遍路小屋と大差なく(むしろ狭いかも)、上に登れ眺望が楽しめるかというとそうでもなく、なんのためにこの形状となっているのか不明でした。
この先は田園地帯です。農作業に行く農家の方からは「あと少しで平等寺だよ」と声をかけられました。お遍路さんはその姿ですぐわかるためか地元の方に声をかけられることが多いと感じていました。こちらもできるだけ挨拶をするようにしていました。
22番平等寺
ここのご本尊は本堂への石段を登ったところにある柱とひもで結ばれていました。まるで善光寺御開帳のようなので納経所で聞くと、特に関係はなく以前からこうなっている、との答えでした。
平等寺の境内にテントを張って飲み物や軽食を売っている人がいました。ジュースを買い、一休みしているとその店の方が話しかけてきました。四国遍路の札所は88か所だけでなく300以上あること、本来の遍路道というものは無く、その時代のお遍路が歩く道が遍路道となる、など四国遍路の知識も豊富で楽しい会話となりました。
その方が自作の23番までの地図を示してルートの相談に乗ってくれました。多くの遍路は海沿いの道を選ぶが、実は岬の上を超えるなどアップダウンが結構あり、海もあまり見えない、それよりもう一つの道、内陸の国道を素直に言ったほうが良い、とのアドバイスでした。内陸の国道は何か所かトンネルがありそれが心配だというと、自動車専用道ができて、多くの車はそちらに行くのでトンネルが多くても安全面ではそれほど心配ない状況となっている、とのことでした。
自作の地図も良くできていて自販機の場所(この辺は23番の近くまでコンビニがない)も示してあり1枚もらいました。
今回はこの間の反省に則り、地元の方のアドバイスを聞き、内陸ルートとすることを決めました。以前読んだ遍路ブログで「四国遍路はルート選択の連続」といった記事がありましたが、まさにその通りだと思います。アドバイスを採用するも採用しないも自身の判断にゆだねられます。
この手作り地図を参考に進むと、途中でこの間何度かお会いして挨拶程度を交わしたことがある男性の方と同行する形になりました。私より1日早く歩き始めたようで口ぶりでは何度か遍路をしているようです。内陸ルートは単調な道になりますから道連れがいた方が励みになると思い並んで歩くことにしました。
名刺代わりに納札で自己紹介しました。私より2歳若い岡山在住のOさんという方で、ゼネコンにお勤めでしたが、60歳で退職しその後もいろいろお仕事をされているようです。自分より相当重そうな荷を背負い、自分より早く歩く私の体力に前に会った時から驚いていた、とのことで、私は自身のウォーキングの経験談などを話しました。
23番薬王寺
内陸の遍路道は国道ですから単調な景色でしたが話し相手になってくれる連れがいたおかげでそれほど苦痛を感じずに目的地に到着しました。Oさんはこのまま宿に入り明日お参りをする、とのことでしたので寺の前で別れ、徳島最後の札所に行きました。
このお寺は徳島では厄除けで有名とのことで本堂に向かっていくと
炎天下を26km以上歩き、消耗した体にはこたえる2つの厄坂を手すりの力も借りながらなんとか参拝をすませました。
この後本日の宿に向かいます。宿には同宿となる私より高齢の男性が宿の方と何か話していました。すぐは気づかなかったのですが一昨日の宿で同宿だった方でした。その時はあまり歩くことが得意ではなさそうだったので、もうお会いすることはないだろうとお別れしたのですが、歩きから公共交通機関の活用に切り替えたことで再会できたのです。2日同宿となる機縁を感じ納札で自己紹介をしました。
同宿となったSさんと宿近くの定食屋で夕食です。普段はお酒を飲まないというSさんもビールを付き合ってくれました。
ところで本日の宿は、以前海産物問屋だったとかいう100年以上前からの建物でなかなか趣のある宿でしたが古い建物ですから隙間も多く、この遍路にきて初めて蚊に刺されました。それも何か所も。
明日はいよいよ高知に入ります。振り返ると7日間歩き詰めでしたから明日高知に入ったら翌日は休日とし、からだ、特に足を休めようと思います。
本日の歩行距離 26.08km(ガーミン駆動時)
本日の歩数 55,654歩 (歩数計アプリによる)