四国遍路 番外編 4日目 雲辺寺は車でもいけない難所。そこに歩きで挑む人もいる
西条市の朝
今日は深夜から断続的に雨が降っています。天気予報でも朝4時頃をピークに大雨とのことです。恒例の早朝ウォークは諦め、ブログ作りに精をだしました。朝食もコンビニしかないかと思いましたが、そういえば納豆をこの何日も食べていない、これは納豆を食べなければいけない、と納豆メインで朝食の購入をしました。
さすがに3パックは多いだろうと思いましたが、他におかずがないので案外ペロリと食べられました。
今日は前日に本日予定の札所2か所を回っているので、予定では65番から70番まで6か所、うち1か所は同じ境内に二つのお寺があるところですから、5か所巡ればよいだけです。楽勝で午前中には終わらせて金毘羅さんにでも行こうかと思って出発しました。時々雨が強く降るあいにくの天気です。
65番 三角寺
ぎりぎり愛媛県のお寺で、愛媛県最後の札所です。標高は350m程ですが結構登った気がします。駐車場は200円の有料で、ポストにお金を入れる方式です。
雨が降っていますから石段を雨水が流れ落ち靴を濡らします。
鐘楼門のように二階に鐘があるのではなく門の中、人の頭よりやや高いところに鐘が吊るされています。
境内には良い塩梅でモミジが植えられています。紅葉シーズンはさぞかし良い風情となるだろうと思いました。
納経所で駐車場の話になり、実は下の駐車場はお寺の管理ではなく個人の管理となっている、とのことでした。集客が期待できる四国遍路の札所ですから、お寺だけでなく様々な形で利益の種にしていく様子が伺えました。
雨も小雨になってきて次の札所に向かいます。次は四国遍路の難所とも呼ぶべき雲辺寺です。カーナビの指示で向かいますが、予想より標高を稼ぎません。麓の小高い尾根のようなところ進みます。急に坂がきつくなるのか、と思っていたら到着しました。なんとロープーウェイの山麓駅です。カーナビに登録したのはあくまでも雲辺寺の電話番号です。それがロープーウェイの山麓駅です。ロープーウェイの待ち時間にケイちゃん(妻)と電話で話しました。妻が言うには雲辺寺への車道は工事か何かで通行止めになっている、との事。つまり車では雲辺寺まで行けず、ロープーウェイを使わざるをえないようです。ロープーウェイの山麓駅に遍路姿は私だけ。日曜日、夏休みということから家族連れが目立ちます。ロープーウェイは20分間隔での運行ですからしばらく待つと出発です。
しばらく前まで雨が降っていた訳ですから、山の上は雲がかかっています。
山頂駅に着きました。標高が900m以上の場所ですから気温も低く
山頂には公園もあり、天空ブランコなどもあるそうで、家族連れは雲辺寺ではなく公園に向かいます。
一部の観光客と共に雲辺寺に向かいます。途中には
釈迦涅槃像もありました。
雲辺寺の山門はだいぶ降ったところにありました。
本堂と大師堂はかなり離れた場所にありましたがお参りし、納経所で納経印を頂くときに、歩き遍路さんが歩きで登ってくることもあるのですか、と聞くと「時々いらっしゃいますよ」と涼しい顔で返事されました。三角寺からは尾根道が多いようですがそれでも三角寺と雲辺寺の標高差は600m近くあります。車も通れない(そうはいってもルートはあるようで宅急便のトラックが山頂にきていました)場所に歩きで来ている遍路がいることに改めて感動を覚えました。
雲辺寺からロープーウェイで降りて67番大興寺に向かいます。もう11時半。今日はまだ2つのお寺しか打っていません。大興寺までの途中でお昼にします。香川県と言えばうどんです。道路沿いのお店(地元ナンバーの車が何台も停まっていたので決めた)に入りました。
セルフではなく注文して持ってきてもらえるお店です。天ぷらやおにぎりはセルフでした。店のお客はおでんも注文しています。気になりましたが今朝歩いていないので釜玉うどんとセルフの天ぷらだけにしました。
コシのあるおいしいうどんです。ただ本場さぬきうどんに対して期待値が高すぎたためか、それ程感動する味ではありませんでした。釜玉ではなく、ふつうのぶっかけうどんのようなものの方が良かったかも知れません。
食べていると会計に向かうおじさんから「順番に回っているのかい」と声を掛けられました。「はい、順打ちです」と答えると「自慢じゃないがおれも20回巡っているんだ。がんばれよ」と言ってくれました。
67番 大興寺
大興寺は山裾の田んぼの中にありました。
このお寺も
石段を上がると目の前の本堂は解体修理中でした。
工事中の本堂前に仮設の参拝所がありそこでお参りです。ここで若い男女二人連れと一緒になりました。男性の方は半そでの下からタトゥが覗き躊躇ったのですが、声を掛けると誠に気のいい男でした。地元で休みにまねごとをしている、との事です。
大興寺から68番、69番までは少し距離があります。
68番神恵院 69番観音寺
ここは四国八十八か所霊場の中、唯一同じ境内に二つの札所があるところです。駐車場に見たことのあるバスが停まっています。
観音寺本堂前で皆で声を合わせてお経を唱えています。
私は神恵院本堂からお参りします。
周りがコンクリートの壁に囲まれ、半透明の屋根がかかっています。お経を唱えてみると反響して良く響きます。大人数でお経を唱和すると迫力あるだろうなと思いましたが、それだけのためにこの仰々しい箱は疑問です。
隣の大師堂でお経をあげていると例の団体のお経とかぶさってしまいこちらも変な節がついたお経になりました。
観音寺のお参りも済ませ、納経所で納経を済ませました。団体参拝について聞いてみると、係りのお坊さんによれば7月頃少し増えたが、また少なくなって今は本当にたまに来るくらい、との事でした。
70番 本山寺
本山寺までは5km程。こちらは平らなところにあるお寺です。
別な方角にも門がありました。
本山寺には五重塔があります。この五重塔は令和の大改修とかで寄付を呼び掛ける看板があちこちにありました。
こうした寺の施設は重要文化財だとしても、国で全部改修費用を負担するわけではないようで、地元やお寺、檀家の皆さんもかなりの負担があるようです。
ここでも例の団体と一緒でした。もう愛着すら湧いてきます。
お参りと納経を済ませると午後2時半。宿に入るには早すぎるし、金毘羅さんに行くには遅すぎるので、行けるところまで行こうと次の71番を目指します。
71番 弥谷寺
あまり予備知識もなく向かった弥谷寺ですが、これが結構歯ごたえのあるお寺でした。駐車場に着いたのですが、まだ車道が上に向かっています。そこには有料道路との案内が。迷っていると若い男性が、「足の弱い人などはこの上の駐車場にも行けるのですが有料ですよ」と教えてくれました。仮にも歩き遍路を志し、足摺岬までは歩いた私が「足の弱い人」の訳が無く、その駐車場に車を停め、金剛杖にもご登場願い参道に向かいます。山道ではないですが石段の参道です。
先ほどの若い男性はこの階段が結構長いと言っていましたが、確かに長い。
石段はさらに続きます。
まだ石段が続きガックリしました。
前を行くのが駐車場でいろいろ教えてくれた男性です。若いので追い越されました。
この先は90段と聞きましたので都合540段の階段になります。
本堂に着いたら息絶え絶えで、写真を撮るのを忘れました。
ここでも例の団体さんがいました。皆さんそれなりのお年ですから上の駐車場からでしょうが、それでもバテバテといった感じです。
この寺の大師堂は建物の中に靴を脱いで入り、納経所が横にあります。納経所の方々の視線を意識しながらのお参りで少し緊張しました。ここで、今日何度か一緒になったタトゥの入った気のいい若者と奥さん?の二人組と一緒になり降りは一緒に降りました。まだ現役世代ですから明日は仕事とのことです。
今日の宿
今日の宿ファミリーロッジ旅籠屋観音寺店に向かいます。ところがナビの電話番号設定で案内されたところはビジネスホテル観音寺。ファミリーロッジ旅籠屋はチェーンで同じ外観のはずですからこれはおかしいと宿に電話し、住所設定で何とか到着しました。
このチェーンは初めて泊まりますが、先輩遍路の栃木のOさんなどは贔屓にしている宿です。
ベットはダブルサイズで、浴室とトイレも別々、冷蔵庫もあり、下手なビジネスホテルなどより数段快適な客室です。広い浴室で早速風呂に入り、洗濯を始めながらこのブログを書き始めました。この宿は簡単な朝食をセルフで用意している、との事ですが基本食事はありません。街中だから何かあるだろうとネットで調べたら宿の200m先にラーメン屋を発見。そういえば昨日中華屋さんに行こうとして閉まっていたことを思い出し、頭は断然中華に傾きます。6時になるのを見計らい店に向かいました。頼んだのは餃子と焼酎。
餃子は看板商品のようで特に特製タレ(茶色い味噌みたいに見えるもの)で食べるとなかなかのものです。またお通しの雑魚煮干しの素揚げはニンニクを利かせているそうで、残念ながら匂いを全く感じない私にはその香りは判りませんでしたが、おいしい一品でした。脳挫傷で匂いを感じなくなっている事を店主に話し、しばらく匂いの話で盛り上がりました。お腹と相談するとまだ不足と言うのでラーメンも注文しました。
餃子、ラーメン、焼酎3杯でちょうど気持ち良くなり宿に帰り就寝です。
本日の距離 0
本日の歩数 11,586歩(歩数計アプリによる)