四国遍路 番外編 6日目 いよいよ結願。それにしても香川のお寺は神仏混合だらけだった。
坂出の朝
ブログのアップが5時少し前と遅れたため、恒例の朝ウォークは5時過ぎのスタートとなりました。コースは昨日巡った天皇寺までの往復約8kmです。
この日の宿はこの商店街から一歩奥に入ったところにあります。この商店街の道は78番郷照寺から79番天皇寺までの歩き遍路道になっています。
雲はありますが、今日は曇り時々晴れの予報です。天皇寺に着きました。
崇徳天皇殯殿の文字が読めます。
普通の人はこの先にお寺があるとは信じないでしょうね。
この参道の前にはお遍路さんに有り難い施設がありました。
昨日この前を車で通りましたからあるのは知っていました。昨夜の夕食の時、宿の奥さんが「あそこはいろいろなお接待をしてくれる。町の人がボランティアで運営していて寄ればよかったのに」と言っていたので少し残念な思いをしていました。
ここからUターンです。明るくなってきたので行きには気づかなかったものが発見できました。
坂出本町商店街のアーケード街は、宿の奥さん曰く「シャッター商店街」との事ですが、店の看板を見るとほとんどが物販の店です。坂出駅すぐの立地ですから物販から飲食に切り換えると結構再生するのではないか、と勝手に考えました。また古い魅力的な建物もあります。
宿に帰り朝食です。
卵焼きもししゃももおいしく、2杯平らげました。
8時少し前に出発です。今日は81番からできれば88番まで巡り、結願できれば、との予定です。
81番は山道を登ります。山道といっても観光道路ですから2車線で危なくなく登れます。
81番白峯寺
正面は納経所のある建物です。本堂は左に折れた先にあります
この本堂の下に崇徳天皇の陵墓があるとのことで行ってみました。
79番の天皇寺のところで殯を行い、ここに埋葬された、ということでしょう。
天皇陵の前には祭殿があります。
納経印をもらい次へ進みます。
82番 根香寺
81番から82番へは五色台スカイラインという観光道路を進みます。片側1車線の快適なドライブコースですが、82番に着くまでの約8kmですれ違った車はわずか3台。平日とはいえ夏休み中ですから少し寂しくないか、と感じました。
ここは山門の所が尾根筋のようで門をくぐると一旦降ります。そして登りになります。
本堂はさらに登ります。
この寺の本堂は回廊に囲まれています。
境内には掃除する寺の方が二人だけ。静かな寺です。大師堂は本堂より一段下がった場所にあり、納経してもらい駐車場に向かいます。山門のところで若い男女二人連れに会い、挨拶を交わし、どちらからですかと聞くと山口からです、との返事。私は長野からで足摺まで歩きで巡ったが足を痛め、残りを車で巡っている、というと足摺まででも歩いて行った、というのは凄いです。尊敬します、と言われ少し気を良くしました。
83番 一宮寺
82番から83番までは約12km。住宅地にあるお寺です。
この境内でお参りしていると「あれ~」という声が聞こえ振り向くと昨日の78番郷照寺の庭園で言葉を交わした先達と埼玉の中年女性2人のグループです。先達は昨日は青の遍路姿で、今日は白でしたからすぐ気づきませんでした。少し話し、またお会いすることもあるでしょう、と別れました。
84番屋島寺
84番屋島寺は源平合戦の戦場となった場所です。観光地でもありますから駐車場は観光客と同じで、善通寺と同じような仕組みです。
実はこの門の前で小学生低学年くらいの男の子が家族の写真を撮ろうとしていたので「撮ってあげようか」と声を掛けたのです、が逆にお母さんから撮ってあげますよ、と言われ、お言葉に甘えました。
それにしても派手な門ですから、別に本来の山門があるのではないかと探すと、ありました。
更に二の門もありました。
この門は55番南光坊の門と同じで四天王が睨みを利かせています。埼玉女性グループの先達が四天王について説明しています。
広いお寺です。本堂で般若心経を唱えていると、隣でもお経を唱える声が。横目で見ると高齢のご夫婦とみられる二人連れが般若心経をそらで唱えています。邪魔になってはいけませんから声のボリュームを下げて、ささやくように唱えました。このご夫婦は地元の方のようですが、そらでお経を唱えるのですから、だいぶ場数を踏んでいるなと思いました。
85番 八栗寺
85番に向かいます。ナビでお寺の電話番号でセットし案内された場所はケーブルカー乗り場です。この寺も雲辺寺と同じく、お寺まで一般の車は行けない様です。
ケーブルカーの乗客は私と埼玉の中年女性+先達の4人だけ。車内で話を聞くと二人は1国巡りとか言うそうですが一つの県の札所だけを回る観光を兼ねた遍路を、3泊4日の日程で行っている、との事でした。一人は一度結願しているのですが、もう一人は今回初めて、ということでお先達のガイドをお願いしたようです。
このお寺も入り口は
長野のお寺にも境内に小さな祠が祭られているのはありますが、一人前のお宮がお寺に立っているのはあまり見たことがありません。明治期の神仏分離はかなり徹底して行われていた、と承知していましたが、香川ではあまり徹底されなかったのでしょうか。この辺も調べてみたいところです。
ケーブルカー駅から一番離れたところに寺の山門がありました。
お参りを済ませ、ケーブルカーで下山すると12時少し過ぎ。八栗寺へ来る途中、有名なうどんチェーン本店の大きなお店がありました。埼玉グループもそこに入っていきます。私も、と一旦駐車場に入れましたが、大型バスの駐車スペースがあるのを発見。長野戸隠のそば屋も大型バスも受け入れているそば屋は確率的にハズレが多いと思っていますから急遽取りやめ、途中郵便局でお金をおろし、86番に向かいます。お昼はうどんと決めていますから良さそうななうどん屋があれば入るつもりです。
86番志度寺
このお寺は海岸に近い場所に立地しています。近くには平賀源内生誕の家もあるそうで資料館もありました。お寺は
森の中をぐるぐる彷徨い、やっと本堂と大師堂を発見。お参りを済ませ納経して、駐車場に戻ろうとしたのですが、どこを彷徨っているのか判らず、駐車場までだいぶ時間がかかりました。彷徨っているときに五重塔を発見
やっとたどり着いた駐車場から車を出し、うどん屋を探しながら87番に向かいます。
途中良さげなうどん屋を発見。
駐車場が広く、車が何台も停まっていました。
店頭の掲示では
店内に入るとお盆を取ってうどんを注文、天ぷらなどをセルフで取って、その先で出来上がったうどんと引き換えに代金を払う、という丸亀製麺に似た方式でした。自分でうどんを温め、だし汁も自分でかけるというのがセルフのうどん屋イメージでしたが違いました。
うどんは前2日間に食べたうどんに比べればやや柔らか目ですが、だし汁がおいしい。天かすも衣だけのカスではなく具材も少し混じった天かすです。満足しました。
87番 長尾寺
長尾寺は住宅街にあります。
比較的コンパクトな境内です。中には観光客らしき家族連れが。お参りを済ませ駐車場に戻るとき高知ナンバーの車が駐車場に入ってきました。車から降りたところで挨拶すると高知県の中年女性で今回で2回目。逆打ちで88番から巡っている、との話でした。お互いに頑張って、とエールの交換を行い、88番に向かいます。
当初は87番でこの日は終了とし、翌日88番を結願してそのまま徳島の1番霊山寺に向かう計画でしたが、最後の札所だけ残すというのも何か落ち着かないものがありました。まだ2時半ですから88番を打って志度の宿に戻るとちょうどよい時間になりそうです。
88番に向かう途中遍路交流館に寄りました。
遍路交流館
交流館の中には女性スタッフがいました。歩きですか、と聞かれ「足摺までは」と答えました。遅れてだいぶ回数を重ねたことが伺える高齢のお遍路が入ってきました。女性スタッフが対応している間に館内を見学します。
「札所0番」との案内のジオラマもありました。
女性スタッフは先ほどの高齢遍路とまだ何か対応しています。お礼を言って最後の88番に向かいます。
88番 大窪寺
本来の山門もどこかにあるはず、と探したらありました。
この山門の前は石段でお土産物屋が並ぶ参道に繋がっています。
大師堂はこの左手、ド派手な門との間にあります。本堂、大師堂でお遍路最後の般若心経を唱え、納経所で納経印を頂きました。納経所に「結願証明」の発行の案内もありましたが、明日は徳島のお土産調達のため1番霊山寺そばの道の駅に行く予定です。結願証明は霊山寺で頂くこととして、今日はこのまま志度の宿に向かいます。
本日の宿いしや旅館
建物全体が重要建造物指定を受けているとかで古いですが趣があります。建物は中庭2つを挟んで3列の建物があり2列目、3列目が客室、1列目が母屋になっていて渡り廊下でつながっています。
今日は同宿者がいるとかでお風呂は順番です。風呂と洗濯を済ませると夕食の案内がありました。
真ん中の角皿はたこで梅肉で頂きます。どれもおいしく焼酎と共に残らず頂きました。