四国遍路 再開14日目 雨の高知市遍路は足のご機嫌を伺いながら
雨降る中の出発
今日は主に高知市内の5つの札所をめぐる計画です。各札所の距離を合算すると30kmを越え、またほぼ一日雨予報ですから雨宿りの時間ロスも見ると5時には出発したいと、前日きらくのママに朝食はいらない旨伝えてありました。
朝食替わり、というより朝食までのつなぎのつもりで、昨日のお接待のお菓子を食べました。
夜半から結構強い雨が降っており、出発時刻の天気が心配でしたが、小雨程度でしたので出発しました。
今日は今までのように55号線をひたすら歩く、といったコースではありませんからガイドブックの地図もビニール袋に入れレインコートの下に入れてあります。
29番国分寺まではガイドブックの地図によればかなり複雑なコースになっています。雨の中、ガイドブックの地図はなるべく広げたくないので道路の遍路案内を頼りに進みます。ただ、この遍路案内が曲者で、
交差点では意識を集中して見落とさないようにします。ただそうすると足元の注意がおろそかになり、水たまりに足を突っ込んだりしてしまいました。また
田んぼのあぜ道も通ります。前から軽トラックが来て停まりました。私が道を譲ろうと少し広くなったところで道の脇にどいたのですが、その軽トラックもバックであぜ道と90度の空き地に車を入れようとしています。なにせ狭いあぜ道で片側が用水路ですから、何度も切り返しをしています。手招きしますが、運転している女性の方は笑顔で会釈を返すだけ。しかたなく近づくと、軽トラックを自分の畑の隣にある小さな空き地に停めようと四苦八苦していたのでした。横を通り過ぎる時、互いに笑顔で挨拶を交わしました。「雨だからお気をつけて」と声をかけていただきました。
29番 国分寺
国分寺には6時40分頃に到着しました。境内に人影はありません。本堂の香炉には蓋がかけられていました。香炉の蓋を少しずらしお線香をたてお参りをします。
7時に納経所で納経し、靴を脱いで休める場所がないか聞いたところ、少し困った表情。納経所の隣のお堂の階段で休めないかと尋ねると快諾いただけました。
階段に座り、靴を脱いで足を休めました。水たまりに足を突っ込んだせいで少し湿気っており、よく足をもんでやりました。
次の札所善楽寺までガイドブックの地図によれば2つのルートがあります。判りやすい方が良いだろうと幹線道路を長く歩くコースにしたのですが目印の県立歴史資料館を見つけられず、気づいたら別のコースでした。今日はほとんどお寺の参道を除きほとんど平地を歩くつもりでしたが
幸いなことにこの山道はそれほど急な坂ではなく、山裾に沿っているようでしたが途中からまた上り坂となり幹線道路に出ると
30番善楽寺
峠を越えてじきに善楽寺の看板がありました。
山門が見つかりません。実はこの善楽寺の隣は土佐一之宮の土佐神社が鎮座しています。お寺と神社が表参道を共有しており、その表参道入口に山門がありました。ただ建物はお寺風ですがしめ縄が張ってあり、土佐神社の門との案内でしたので写真は撮りませんでした。
お参りを済ませ、納経の際、係りの女性に納経所の前のベンチ(屋根があるところです)で休ませてもらえないか聞いたところ快く了解いただき、よろしければタオルもどうぞと渡してくれました。ありがたくお借りし、靴、靴下を脱いで足の様子を確認しました。やはり足がふやけており、上手にご機嫌を取りながら歩かないとまた悲惨なズル剝けにつながるまめができそうでした。お借りしたタオルでよく足を拭き、乾いた後クリームとテーピングをやり直しました。納経所にお礼をして次の札所竹林寺に向かいます。このコースはほとんどが幹線道路で、観光地ともなっている五台山にお寺があるので迷うことは無いだろう、と気安く考えていました。
コースは良いのですが、善楽寺を出てしばらくした頃から雨脚が強くなり始めました。出発前には雨脚が強くなればどこかのお店に入り雨宿り、のつもりでしたが、なにせこちらはずぶぬれ状態。喫茶店などに入るには気が引けます。コンビニのイートインなら、と思い入ってみましたが、イートインがなかったり、コロナ対策で閉めていたりで休めません。コンビニでおにぎりを2つ買い、店頭の庇の下で食べました。
田舎の遍路道なら所々に遍路小屋があるのですが、さすがに都会の高知では期待できません。高知市街地に入ってからも大きな水たまりに足を踏み入れてしまい、靴はぐちょぐちょです。足の裏のご機嫌を伺いながら歩いていきます。
31番 竹林寺
竹林寺は五台山にあります。本来の遍路道とは異なりますが、足の負担が少ない自動車道を登りました。自動車道ですから歩きの遍路道より距離はかなり長くなります。
やっと竹林寺山門に到着しました。
本堂までは
やっとの思いで本堂、大師堂のお参りを済ませました。納経所の隣がちょっとしたテラスになっていて雨もしのげ、ベンチもあったので納経所でお断りをして休ませてもらいました。靴を脱いで靴下でコンクリートの上を歩くとしっかりと足形がつきます。足を拭こうにも用意した2本のタオルはすでに濡れています。やはり足のご機嫌を上手に取りながら歩くしかないな、と思い定め次の札所に向かいます。
次の禅師峰寺までは下田川沿いを進み、右に曲がりあとは道なり、という判りやすいコースです。途中にこんな案内がありました。
歴史好きの私としては普段なら必ず立ち寄るであろう場所です。でも今日は雨で先を急ぎますから写真だけで我慢しました。
32番 禅師峰寺
禅師峰寺の参道に到着しました。
自動車道の横に歩きの登山口もあり、少し整備された道のようだったので登り始めましたが「まむし注意」の看板に怯え、結局自動車道を行くことにしました。
このお寺も本堂までは
お参りと納経を済ませこの石階段の反対にある休憩所で靴を脱いで休みました。この頃からやっと雨が上がり、レインコートを脱いでザックにかぶせ歩き始めました。
この後は33番雪蹊寺にお参りする予定ですがなにせ足のご機嫌を伺いながらの歩みですからあまり早く歩けません。無料の県営フェリーが1時間に1本あり16時10分に間に合えばぎりぎりお参りできるかな、と考えていました。
県営フェリー
平坦ですが単調な道をひたすら足のご機嫌伺をしながら歩きます。禅師峰寺を出る時には16時10分には十分間に合うと見込んでいましたが予想以上に自身の歩みが遅く16時前にやっとフェリー乗り場につきました。
浦戸大橋が開通し、橋の通行料が無料となってから車は乗せないフェリーとなっているそうです。この時間の乗客は私と自転車のおじさんの二人だけ。通学時間などは高校生で結構混雑するとのことでした。
歩みが遅く、今日の雪蹊寺お参りはあきらめ宿に直行します。宿は雪蹊寺の真ん前にありました。今日の宿高知屋さんは先人の遍路ブログに何度も登場し、ぜひ泊まってみたかった宿です。濡れたレインコートやザックカバーは乾燥機にかけてくれ、また洗濯もお接待でやってくれました。
今夜は私一人だけ、ということで夕食時は奥さんが話し相手になってくれました。
奥さんによるとコロナ以降やはり利用客は減っているとの事。また明日の予定を話すと明日の宿汐風さんは荷物だけ先に届けてくれるので利用したら、との事。実は今日の善楽寺から汐風さんに予約した時もそうした申し出があったのですが、その時は遠慮していました。ご主人も参加し、35番の清龍寺は神野峯寺のまっ縦ほどではないが結構な登りだからやはり汐風さんにお願いした方が良いとのこと。神野峯寺はザックを麓に預けて登った身としてはご夫婦のアドバイスに従い、汐風さんに連絡し、ピックアップをお願いしました。明日は頭陀袋と肩掛けポーチ、の軽装での遍路となります。
本日の移動距離 40.18km (ガーミン稼働時)
本日の歩数 74,777歩 (歩数計アプリによる)