四国遍路 再開11日目 土砂降りの室戸を歩く

 雨降る中の再開

 台風と足のズル剝けの影響およびワクチン4回目接種実施で、結局お遍路で10日歩き、11日休んだことになります。

 本日よりお遍路再開。手始めに朝食前に最御崎寺をお参りする計画です。

 今日の天気は雨。昨日からヤフーとスマートニュースの天気を確認しているのですが、夜から昼までずっと雨、や6時ころから天気回復など、調べるたびに変わり判断に迷いました。直前のスマートニュースの雨雲の動きでは6時頃から結構激しく降る予想でしたので朝の5時半宿出発。6時には最御崎寺のお参りと室戸岬灯台の見学をして、寺の境内で雨宿り、7時に納経印をもらい宿に帰り7時半から朝食、との行程にしました。

 

24番 最御崎寺室戸岬灯台

 宿から1km弱、登り口から700mとのことで、前回同じ宿に泊まった時に対応してくれた女性スタッフは「20分もあれば登れますよ」との事。大きな荷物はホテルにおいて行くのですから「楽勝」と思っていました。確かに焼山寺や鶴龍の厳しさに比べると優しいのですが、昨日来の雨で濡れた斜面や石畳が滑りやすく結構危険で慎重に登りました。

雨に煙る最御崎寺の山門

  まだ6時前ですからだれもいません。結局宿から25分かかりました。

 本堂でお参りをしていると予報通り盛大に降ってきました。

大師堂のお参りにも行けません。写真の仏塔が大師堂だと思っていました

 しばらく本堂軒下のベンチで休憩です。 

実は仏塔状のお堂は大師堂ではなかったのですが、大師堂だと思い込んで雨が弱くなったタイミングでお参りしてしまいました。後で境内案内を見て間違いに気づき正しい大師堂でお参りしました。

 納経所は7時からですからまだ時間があります。土砂降りではない時を見計らい室戸岬灯台を見学しました。お寺からはすぐです。

さすが日本を代表する灯台。貫禄が違います

  この室戸岬は「恋人の聖地」ともなっているようで

こんな看板がありました

 時期と時間が良ければ、観光客もいるのでしょうが夏の朝6時過ぎで雨ですから、だ~れもいません。

 7時前には車でのお遍路でしょうか、一人の男性と二人連れの女性お遍路が参拝にきていました。

 納経印をいただいて宿に戻る途中、雨で濡れた斜面で木の枝を踏んだのか、滑って転んでしまいました。幸いにも左ひじを軽く擦りむいた程度で済みましたが、雨の下り斜面は本当に危険です。

宿の朝食 ごはん等が減っていますが撮り忘れた訳ではなく、遅れて出てきた卵焼きを撮るためです

 この宿の朝食卵焼きはこだわっているようで、必ず宿泊客が席に着いてから焼き始めます。焼きたてですからとてもおいしくいただきました。

雨への対策

 雨対策をして出発です。今日の雨対策は

判りづらいですがレインコートを着ています。最御崎寺お参りの時ですから頭陀袋を雨から守るため、羽織るように着用しました。

 更に

靴に布テープを巻きました

 レインコートは6月下旬に遍路を始めた時には上下で持参していたのですが、荷物を減らすために送り返していました。再開にあたり悩んだのですが、週間天気予報によれば高知周辺には梅雨前線がいて連日の雨予想でしたのでレインコートの上だけ持ってきました。

 靴の布テープは最御崎寺お参りでは紙のガムテープを貼って効果は確認できたのですが、テープ同士が剝がれやすく、宿に布テープをお願いして靴に貼りました。靴に水がしみこむと足がふやけて水泡ができやすくなります。その防止が主目的です。靴本来の機能である湿気を逃す効果はなくなりますが、雨で濡れる方が悲惨です。

 

25番 津照寺

 宿を8時過ぎに出発。室戸岬の先端を越えて国道55号をひたすら室戸市街地に向けて歩きます。途中の集落でこんな店がありました。

暖簾から判断するに駄菓子屋兼お好み焼き屋?

 この昭和を思わせる組み合わせは都会に細々と生き残っているだけだと思っていましたが、室戸の市街地とは言えない集落の中での発見ですから驚きました。

津照寺室戸市街地の小高い丘の上にあります。

山門はシンプルですが石段途中の櫓門は派手です

 お参りを済ませ、山門をぬけた右手の納経所で少し休ませてもらいました。靴を脱ぎ足の裏をマッサージします。ここまで雨は小雨程度で靴の水浸みもありませんでしたから、予定通りの行程でした。

 

26番 金剛頂寺

 国道から離れ、金剛頂寺へと向かう道に入ったあたりから雨が段々と本降りに近くなってきました。

雨に曇る金剛頂寺 結構土砂降りです

 何とかお参りを済ませ納経所の横のベンチで小雨になるのを待ちます。この境内で3人グループのお遍路さんに「歩いて回っているのですか」と聞かれ、そうだと応えると「これお接待です」といって塩飴を頂きました。ありがたくいただき、心よりお礼しました。

 歩ける程度の雨になったため、遍路の案内看板を頼りに先に進みます。ところが案内看板の先は草藪。雨でこの道はきついと別の道を探していると農作業に向かおうとしている若い男性に会いました。道を聞くと、下に降りる道は他にないことはないがやはり先ほどの草藪道を行くのが判りやすい、との事。意を決して金剛杖で藪をかき分けながら進みました。しばらく行くと普通の山道になりましたが、雨で道が川のようになっていて、靴を濡らさないよう慎重に降りていきました。

 国道にでるとすぐ道の駅です。雨も盛大に降ってきましたから昼食と休憩をとることにしました。が、この道の駅には食堂はなくお弁当の販売だけ。(もちろん物産品の販売所はあります)仕方なくテイクアウト用のかつ丼を購入し、国道に面したテント屋根の下の机とベンチで靴を脱いでの休憩です。

雨も激しく 車のしぶきも受けるところでの休憩となりました

 休憩中、隣の席の若い男性と少し話しました。私が高知の地名は「後免」や「黒耳」など独特ですね、と聞くと地元にいるとあまり不思議ととらえていなかったがいわれてみるとそうですね、としばらく地名談義となりました。

 少し小降りとなった段階を見計らい出発。ところが途中から土砂降りとなり道が川のようになしました。靴の布テープもこれでは靴への浸水を防げず、足がふやけていくのが判ります。 この道沿いには風情のある街並みもありました。

立派な土蔵もありました

 このほかにも土蔵のある家、古い町並みなど、小雨になっていたこともあって楽しませてもらいました。

 足のふやけ具合の確認と対処のため靴を脱いで休める場所を探しますが、ありません。やっとドライブイン(といっても普通の喫茶兼食堂)がありました。

お客は私一人。店のママさんに聞くとこの時期は歩き遍路もほとんどいない、やはり春と秋が多いとの事。ママさんにお許しをもらって足の状態を確認。やはりかなりふやけていて右の小指には小さなまめができていました。右の小指は先の帰省時にも水泡ができたところで外側の皮が剝け、新しい柔な皮膚となっていましたからもう少し事前に対処する必要があった、と後悔しました。この店から宿までは約9km。2時間弱かかります。道は平たんですから辛くはないのですが、ふやけた足が持つか心配でした。

 やっと宿到着。今夜はホテルなはりに泊まります。この宿は露天風呂付大浴場(温泉ではない)が自慢で小さな町にはそぐわない立派なホテルでした。早速露天風呂と洗濯をします。この宿の難点は露天風呂とコインランドリーがあるのが別棟で、自室からそこまで行くには一旦1階ロビーに出て、フロント横の階段を上り、2階から渡り廊下と階段で別棟1階に降りなければ着けません。上下のジグザク移動で疲れた体にはこたえました。久しぶりの露天風呂を堪能し、洗濯と足のケアを行いました。

夕食は

カツオのたたき定食 この他にビールと焼酎をいただきました

 実はこのホテル、「小さな町にはそぐわない」と書きましたが、町の遠洋マグロ漁船に関連する企業が遠洋マグロの乗組員や会社関係の出張者のために経営しているホテルだそうで、それを早くに知っていればカツオではなくまぐろを注文したのに、と少し悔やみました。それでもカツオのたたきはやはり本場ですからおいしくいただけました。

 明日は27番神峯寺の登りです。距離は短めで25km程度。朝食はホテルでとってから出発します。明日の天気は晴れ予想。日焼け止め対策をしてでかけます。

 

本日の歩行距離 31.8km ガーミン駆動時 朝の最御崎寺分を含む

本日の歩数  60,283歩