四国遍路3日目 いよいよ前半の山場 「へんろころがし」へ
事前に計画した作戦
遍路を計画した時からこの「へんろころがし」の道中が最も難関だと思っていました。
藤井寺からは12km弱で、距離は大したことがないのですが、様々な遍路ブログでもそのきつさが伝わって来ています。
その為、明るくなったら登り始め、昼前には焼山寺着、3時ころには宿に到着、と計画しました。そのためにはホテルを朝4時半頃には出発する必要があります。
この点この日の宿の鴨島セントラルホテルは、夕方から朝までいつでも軽食がとれるようになっていました。そのため4時に朝食です。
袋に入ったホテル軽食用のパンを非常食としてザックに入れて出発します。藤井寺までは約30分です。
いざ、へんろころがしへ
登り始めから石段や疑似木の階段が永遠と続きます。
何しろ大きなザックに頭陀袋、水も500mlを3本背負っていますから少し登っては息を整え、登っては息を整え、の繰り返しです。
急な坂は最初と最後だけ、とのことでしたので空が見えたりすると「登り切ったか」と喜ぶのですが、そこに行くと単に道が折れ曲がっているだけで上り坂は変わらず。
つらい上り坂でも所々に視界が開け絶景が広がります。(あまり写真ではうまく表現できませんでした。)
長戸庵・流水庵
一応他の札所と同様の作法でお参りしました。ここまで遍路地図では3.2kmとなっていますが1時間半以上かかっていました。時速2km!
このあと少し下り坂を下りると流水庵です。ここでも一応お参りをしました。
お参りをしていると遍路ならぬ男性のハイカーが登ってきました。遍路道といってもハイカーも当然登るわけですから不思議でも何でもないのですが・・
流水庵には名の通り湧き水があります。流れは細いものの飲めそうでしたの一口いただきました。
流水庵のすぐ下にある休憩所です。このわきにそこそこの水量で水が出ていました。柄杓の据え付けもあったので飲める水と判断。ここで休憩している間だけでおおよそ1ℓ飲みました。からのペットボトルにも補充しました。
この休憩所を過ぎるとまた急な登りが続きます。本当にあえぎ、あえぎ登ります。
浄蓮庵・一本杉と弘法大師像
石段を登って大師像を眺めると、一本杉の手のひらで守られているように見えました。
お遍路のシーズン中は結構にぎわう場所と聞いていましたが、遍路はおろかハイカーも含めだ~れもいません。ここでもザックを下して休憩しました。
最後の上り坂へ
浄蓮庵を過ぎると急な下り坂です。何しろ足場が悪くバランスを崩して転倒でもしようものなら一大事ですから慎重に下ります。岩や石の多い道ですから雨でも降って濡れていると相当危険です。
激しく下るため、その後に待つ激しい登りを思い憂鬱になりました。
へんろころがし道中のオアシスともいえる里が見えてきました。何かの果樹(梅かも)の栽培が盛んなようです。
降り切って渓流の橋を渡ると間髪を入れず激しい登りが始まりました。
急な登りと岩が多く足場をどこに確保するか難しい、など遍路ころがし前半の登りとは格段に難易度が高い道となります。
足場確保が難しいところにはロープが2か所で設置されていました。ロープがあるから安心ではなく、登ってロープから手を放す瞬間にバランスを崩しそうになりました。
気づくと所々に石柱であったり石仏に「〇丁」の掘り込みがありました。焼山寺までの距離のようで「これは励みになる」と最初は思ったのですが、何せ歩みが遅く、1丁(おおよそ100m)の登りは10分近くかかりゲンナリしました。
やっとの思いで焼山寺に到着しました。山門の先が覗えず、「本堂までまた長い石段があったらどうしよう」と心配しましたが、常識的な石段で助かりました。といっても上り下りで相当足がダメージを受けており、この山門への石段も本堂への石段も手すりに助けられながら登りました。
お参り後の納経所で、約6時間かかりでへんろころがしから登ってきたことを伝えると「それは早いですね」と言われ少し喜びました。遍路ころがしは健脚5時間、一般6時間といわれていますから、決して早いわけではないのでしょうが、なにせ大荷物を背負ってのへんろころがしですから、その辺も考慮してくれたのでしょう。
11時を過ぎ、朝食から7時間、途中休憩時に口に入れたのはお接待でもらったキャンデーとエビせんべいだけ。焼山寺には食事もできる休憩所がある、といくつかの遍路ブログにあったので日曜日ならやっているだろう、と期待していたものの閉まっていてがっくり。休憩所の前にある飲料の自動販売機で飲み物を2本購入。1本はその場で飲み干し、もう1本は昼食用としました。
納経所の横が広いお寺の参拝者用休憩スペースになっていたのでそこで昼食。この後は約10km先の宿に向かうだけなので、エネルギー摂取量としては少ないものの持つだろう、と判断していましたが甘かった。
本日の宿、植村旅館さんへは玉ケ峠を越えて行く10km、とは承知していました。玉ケ峠は古くからの遍路道ですから旧街道の峠道をイメージしていましたが、へんろころがしと大差ない登りでした。へんろころがしのアップダウンで足にダメージがあり、エネルギー摂取量も不足しており、しかも途中で雨が降ってくるなど大変な行程になりました。(写真を撮る気力もなかった)
植村旅館
峠を越えてからは車も通れるような道が多く断然楽にはなりましたが、エネルギー切れでよたよたふらふらしながら、やっとの思いで植村旅館に到着しました。
宿の奥さんにお風呂を準備してもらい、また洗濯もしてくれるということで、甘えてお願いしました。
本日の宿泊は私一人だけ、とのことでまだ新しい客室用の別棟を独占です。
写真では判りづらいですがなすの煮びたしの後ろはウナギです。お椀物はお蕎麦でした。今日は朝、昼と「軽食」でしたので大満足の夕食でした。
本日の距離 25.4km(ガーミン駆動時)
本日の歩数 56,545歩(歩数計アプリより)